一般的にメンタルが強い、弱いといったことがよく言われますが、生まれつき、傷つきやすいタイプの人がいます。
人から受けた言葉に他の人よりも強く反応してしまい、すぐに動揺してしまう、 そんな繊細な心を持った人たちがいます。
彼、彼女らは総じて心の優しい人たちです。
しかし、繊細であるがゆえに色々と考えてしまうことから、日々の暮らしの中で気苦労が絶えません。
こうしたタイプの人は、HSPの可能性が高いです。HSPは、「ハイリー・センシティブ・パーソン(Highly sensitive person)」の略称です。
様々な刺激に対して過剰に反応してしまう「高度な感覚処理感受性」と呼ばれる気質、そうした気質を先天的に有する人をいいます。
ちなみに日本人の5人に1人がHSPと言われるほど多いのですが、社会的な理解度は依然低いです。
ということで、今回はHSPについてまとめさせていただきました。
■ 繊細ゆえに過剰に反応してしまう!
もし、あなたが物事に対する感じ方や性格が繊細すぎるがゆえに生きづらいと感じることが多いのであれば、もしかしたらHSPの可能性が高いです。
HSPとは「過度に敏感過ぎる人」のことをいいます。HSPの人は環境の変化やちょっとした刺激に過敏に反応してしまう人を指す言葉です。
HSPであると知らずにそのまま放置してしまうと、より繊細さが磨かれ、さらに過敏に反応してしまうことから、ますます生きづらくなり、学校や職場などで「神経質」「臆病」「弱虫」「引っ込み思案」 などのレッテルを貼られてしまいます。
その結果として社会そのものが恐ろしいものとなり、心を自ら閉ざしてしまい、そのままひきこもってしまうケースも少なくありません。
■ HSPの診断テスト!
「ささいなことにもすぐに『動揺』してしまうあなたへ(エレイン・N・アーロン著 講談社)」という本の中でHSPか否かを自己診断できる診断テストがあり、もし興味があれば是非以下の設問に「はい」「いいえ」の二択で答えてみてください。
以下のの質問のうち12個以上に「はい」と答えた場合、HSPである可能性が高いですが、もし仮に「はい」が2つ~3つ程度しかなかったとしても、その度合いが極端に強ければ、 HSPの可能性は否定できません。
・自分をとりまく環境の微妙な変化によく気づくほうだ
・他人の気分に左右される
・痛みにとても敏感である
・忙しい日々が続くと、ベッドや暗い部屋などプライバシーが得られ、刺激から逃れられる場所にひきこもりたくなる。
・カフェインに敏感に反応する
・明るい光や強い匂い、ざらざらした布地、サイレンの音などに圧倒されやすい
・豊かな想像力を持ち、空想に耽りやすい
・騒音に悩まされやすい
・美術や音楽に深く心動かされる
・とても良心的である
・すぐにびっくりする(仰天する)
・短期間にたくさんのことをしなければならない時、混乱してしまう
・人が何かで不快な思いをしている時、どうすれば快適になるかすぐに気づく(たとえば電灯の明るさを調節したり、席を替えるなど)
・一度にたくさんのことを頼まれるがイヤだ
・ミスをしたり、物を忘れたりしないようにいつも気をつける
・暴力的な映画やテレビ番組は見ないようにしている
・あまりにもたくさんのことが自分のまわりで起こっていると、不快になり、神経が高ぶる
・空腹になると、集中できないとか気分が悪くなるといった強い反応が起こる
・生活に変化があると混乱する
・デリケートな香りや味、音、音楽などを好む
・動揺するような状況を避けることを、普段の生活で最優先している
・仕事をする時、競争させられたり、観察されていると、緊張し、いつもの実力を発揮できなくなる
・子供のころ、親や教師は自分のことを「敏感だ」とか「内気だ」と思っていた
■ HSPの特徴とは!?
HSPの人の特徴についてですが、やはり感性(「感動しやすい」「 感覚が鋭い」「創造的」 「物事の本質を見抜きやすい」)が優れている方が多いので、芸術方面で力を発揮する可能性が高いです。また、一生をかけて課題に取り組む力があるので、研究者などは最適な仕事といえそうです。
また、繊細なセンサーを持つがゆえに普通の人が気がつかないようなことに気づき、他者を気遣うことができるので、いわゆる「優しい人」が多いです。ただし、あまりにも気をつかいすぎると、より生きづらくのなるので注意が必要です。
HSPの人は、外部の刺激に過剰に反応しやすいわけですが、裏を返せば防衛本能が優れているともいえます。そして、他人と触れ合うために人の心を敏感に感じるので、常に心に痛みを抱えています。
■ 優れた感性を生かす!
HSPの人は、感性が鋭いので五感に恵まれているケースが少なくありません。音・香り・食べ物・美しいもの・感動や喜びを、素直に感じ取ることができます。また、生まれながらにして、スピリチュアルな感覚が備わっている方が多いです。
傷ついた自分のを心を癒すためにヒーリングを習い、そのままヒーラーになって沢山の人の悩みに寄り添いながら生きていく方も少なからずいらっしゃいますので、優れた感性を生かさない手はありません。
■ HSPは病気ではない!
HSPは病気ではないので、当然のことながら治療法は確立されていません。現段階では一般的な栄養療法のみとなっています。
どういったものかというと、外部の刺激に対して敏感に反応する繊細な性格の人の血液には、「ある特定の栄養素が足りていない」といった特徴があります。
それをサプリで補うわけですが、毎日欠かさずに必要な栄養素をしっかり摂取できると、はっきりとした効果を感じる方が多いとされていますが、HSPは生まれつきの性質であって病気ではないため、精神科や心療内科を受診しても治療の対象になりません。
また、HSPは心理学用語であって、病名ではないので、医師によっては知らない人もいるかと思います。ですので、精神科や心療内科のある病院やクリニックを受診しても、HSPが原因でおこる頭痛、めまい、腹痛、うつ病などの精神疾患などの二次障害の治療が行われてしまう可能性が高いです。
■ 過去のトラウマを克服するには!?
HSPの人は幼少のころからHSPの人が経験しやすい失敗体験が数多くあることから、大人になっても自分に自信がもてないケースが少なくありません。HSPの人は普通の人よりも大きなストレスを受けやすいことから、自分で自分を守ることを意識することも大切です。
そのためにも人の意見に左右されないように、ときには聞き流す(聞いてるふりをしながら)ことも大切です。強いストレスを感じたら呼吸法(口から息を吐いて、鼻から息を吸う腹式呼吸)やストレッチなど軽い運動で心と身体の緊張を和らげてください。
HSPは、病気ではなく天から授かった一つの優れた才能ととらえるべきものです。そう考えると「自分はこれでいいんだ」と思えるようになり、外部からの刺激を抑えることができるようになります。